コロナ以降で人気の民泊物件は?特徴や予約の傾向

新型コロナウイルス感染症の拡大により、民泊事業を含めた宿泊業界は大きな打撃を受けました。東京などの大都市では閉鎖する宿泊施設が相次いだ一方、あまり影響を受けてない地域や、むしろ宿泊施設数が増え続けている好況な地域も存在します。また、予約される施設の特徴にも変化があります。

この記事では、コロナ禍でも人気の宿泊施設の特徴やエリアについてまとめていきます。民泊の新規出店をお考えの方など、物件選びの参考にしてください。

郊外リゾート地に人気が集中

2020年3月頃の新型コロナウイルスが本格的に国内に蔓延した以降、宿泊施設を予約する人の傾向として、明らかに大都市から郊外のリゾート地へ向かう動きが強まりました。首都圏なら箱根や伊豆、河口湖、那須といった地域に予約が集中し、一方でこれまで活況を呈していた東京や大阪などの大都市では、宿泊予約がほとんど入らない悲惨な状況となっていました。

その理由として、人の多い大都市ではコロナへの感染が懸念されることから嫌気され、一方で人が少なく自然の多いリゾート地なら安心だろうということで、一組限定の宿泊施設(貸別荘など)や間取りの広い宿泊施設への予約が集中したと考えられます。同年の夏にはリゾート地の宿泊需要は非常に旺盛となり、秋口から開始された「GO TO トラベル」によってその勢いは年末まで持続しました。

2022年3月現在もこの傾向は変わっておらず、依然としてリゾート地の予約が強い一方、大都市の宿泊施設は苦戦している状況です。弊社でも大都市とリゾート地それぞれで民泊を運営していますが、全く同様の傾向となっています。

遠方より近場「マイクロツーリズム」

また東京から北海道や沖縄へ行くよりも、箱根や那須などの近隣のエリアに旅行に行く人の割合も増えています。こうした近場への旅行のことは「マイクロツーリズム」と呼称され、日本の宿泊業界でもバズワードの一つとなっています。

元々、遠方への旅行よりも近場への旅行の方が頻度として多いことは自明だったのですが、新幹線や飛行機といった空間で多数の人々と空間を共にすることで、コロナへの感染リスクが懸念されるという点が、その傾向に拍車をかけているものと思われます。

大都市からの集客力が落ち込んだ北海道や沖縄では宿泊予約が苦戦する傾向にあり、対して箱根などの大都市近郊リゾート地では、月によってブレは大きいものの、全体的に予約状況は好調だということです。

庭やテラスなどが人気の設備

郊外リゾート地の中でもどのような物件が人気なのかと言えば、広い庭やテラスのある物件、バーベキューができる物件、グランピング施設、一棟貸しなど受入組数の少ない宿泊施設、貸切温泉のある施設などが挙げられます。総じてプライベートな空間で安心して滞在したいというニーズが強いと言えます。

広い間取りや部屋数の多さが好まれる

また、できるだけ間取りや部屋が広い物件や、部屋数の多い物件を予約したいというニーズも見て取れます。これも、可能な限り密な状況を避けて感染リスクを減らしたい、という心理から来ているものと思われます。

感染症対策や換気が重要に

その他、基本的な感染症対策を行っている宿泊施設でなければ、予約するのがためらわれるといった声もあるため、手指消毒用のアルコールスプレーを各所に常備しておいたり、空気清浄機を客室内に設置したり、換気のできる窓や換気扇が整えられたりしていることも必須になっていると言えるでしょう。

まとめ

多くのゲストは、コロナ感染リスクを回避したいという思いもあり、大都市郊外のリゾート地に集中して予約を入れる傾向にあります。この傾向はこの先も当分続くことでしょう。また外国人観光客が入国できるようになってからも、大都市ではなくリゾート地に訪れるゲストの割合は高くなると考えられます。

もともと宿泊需要は東京や大阪といった大都市が旺盛であり、民泊物件もそれらの都市に集中して出店されていましたが、これからはその傾向がやや変化し、リゾート地への出店や来客が増えてくるのではないでしょうか。

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