パーティールームのインテリア決めと備品のセットアップ手順まとめ

パーティールームはインテリアがモノを言います。おしゃれで非日常を味わえる、ゲストが「ここ使いたい!」と思うような空間をいかに作れるかが事業のカギとなるため、インテリア決めや備品の選定、設置などの作業は非常に大切な部分です。

頭を使う部分も身体を使う部分も多いので少々大変なところもありますが、妥協せずチャレンジしたいところです。今回は一連の流れについて、順を追って解説していきます。

セットアップの流れ

パーティールームの立ち上げは、以下のようなプロセスを経て行います。

  • コンセプトを決める
  • レイアウトを決める
  • 備品選定・発注
  • 設置、写真撮影

最も重要になるのはコンセプトメイキングで、ここでは想定ターゲットに合わせて「売れるデザイン」を決めていくことになります。誰にどんな空間を提供し楽しんでもらうのか、まずはここの設計に神経を集中させる必要があります。

コンセプトメイキングはマーケティングの領域ですが、これが完了したら、具体的な内装やレイアウト、備品の選定といったインテリアデザインの領域に入っていきます。想定ユーザーに喜んでもらえる内装を常に意識し作っていきましょう。

そして備品選定まで終えたら発注や設置といった作業に入り、最後にリスティング掲載用の写真を撮影するという段取りです。以下、一つずつ具体的に掘り下げていきます。

コンセプトの決め方

まずはコンセプトメイキングのやり方について解説します。

ターゲットユーザーを決める

一番最初に、ターゲットとなるユーザーを決定します。具体的な個人ユーザーの像を作り上げ、その人に向けてマーケティング設計を行う「ペルソナ設定」の手法はよく用いられますが、最低限「年齢」「職業」「住所」といった要素からボリュームゾーンとなり得るユーザー属性を検証する必要があります。

ターゲティングのための調査方法としては、物件が所在するエリアにどんな人が多くいるのかを現地で観察する、物件周辺の大学や企業(ITなど若い人が多い企業が多ければプラス)の立地を調べる、近隣あるいは傾向が似ている街の稼働率が高いリスティングを参考にする、といった手段があります。

ここで注意したいのは、「ターゲティングは明確に設定する」という鉄則です。新宿や梅田などの大繁華街では幅広い属性の人々が存在しますが、かといって「20代から60代の男女」のような設定にしてしまうのは禁物です。コンセプトがぶれるうえ、万人にウケる内装=無個性で無難な魅力のない内装にならざるを得なくなるため、「ターゲティング」になり得ないからです。

「誰にどんな空間を提供し、どのように楽しんでもらいたいのか?」この問いかけを自分に行い、様々な事例や調査からロジカルに正解を見つけることがターゲティングという作業です。この作業は以後のデザインも含めた全ての事業基盤を作るものですので、気合を入れて臨みましょう。

デザインパターンをインプットする

また、ターゲティングと併せてインテリアのデザインパターンについても学んでおくと便利です。例えば「北欧風」「西海岸風」「ブルックリン風」「和モダン」といった様々なパターンがあり、これらをインプットしておくことでコンセプトとデザインを有機的に結び付けやすくなります。

大量のインテリアの事例をインプットするには、Google画像検索やPinterest、Instagram等を利用すると便利です。特にPinterestは気に入った画像を保存できる機能があり、ブラウザ拡張機能を使えばWeb上の画像もPinterestに保存可能なため、積極的に利用してみると良いでしょう。

コンセプトが決まり次第、想定ユーザーに合わせて具体的なインテリアのテーマを決定します。

レイアウトを決める

コンセプトとインテリアテーマが決まったら、レイアウトを決めていきます。寸法入りの図面にテーブルやソファ等の家具要素をプロットし、ベストな配置を考えていきましょう。紙よりも要素の配置換えが楽なExcelやパワーポイント、CAD(使える人は)等のツールを利用するほうが便利です。

レイアウトの決定にあたっては、スペースマーケット等で自身の物件と似た間取りの人気スペースを検索し、それを参考にするとスピーディです。他にも画像検索で様々なインテリアを見て参考にするのも良いでしょう。

ポイントは「長時間滞在したくなる空間」「特別な場を楽しめる空間」であることを意識し、ゲストが心地よく利用し続けられるレイアウトを探すことです。空間にある程度の余裕を持たせつつ、一同に会して食事ができたり、ゲーム等を楽しめたりできるレイアウトを考えてみましょう。

備品選定・発注

レイアウトまで固まったら、家具や備品、その他インテリアグッズの選定に入ります。まずは表計算ツールに必要な品物を全て洗い出して書き、それからAmazonなどのECでイメージに合うものをチョイスします。

そして良さそうな商品が見つかったら、販売ページのURLや価格、サイズなどを表計算ツールにまとめていきます。また、大型家具などは配送までに時間がかかるため、配達時間もまとめておくのが無難です。

全てをまとめ終えたら、合計金額が予算内に収まっているかどうかを確認し、オーバーしていれば調整が必要になります。ダイニングセットなど高額なアイテムはより安い商品に入れ替えたり、無くても問題ないものは切ったりして予算内に抑えましょう。

予算調整まで終えたら、最後の見直しをしてから発注を行います。配送日の関係で荷物の到着は複数回にずれ込むはずなので、自身のスケジュールを考えながら日時指定を行いましょう(大型家具は日時指定に制限のある商品も多いため注意が必要です)。

備品の設置

荷物が届き次第、梱包を解体し、レイアウト図面に合わせて各備品の設置を行います。この際、いくつか注意点があります。

騒音・汚れ等の対策に養生を行う

賃貸物件でパーティールーム営業を行う場合は特に肝心ですが、騒音トラブルや壁紙等の汚れ、傷付きを防止するために、ビニールシートなどで簡易的に養生をしながら家具の組み立てや持ち運びをすると良いでしょう。塗膜の薄いフローリング材やビニールクロスは、少し家具の角をぶつけただけでも傷が付いてしまい、退去時に原状回復費の負担が生じかねないため注意が必要です。

ゴミ捨ての手配をしておく

セッティングの際には梱包資材など大量のゴミが発生します。レンタルスペースで発生するゴミは事業ゴミになるので事業者自身では捨てられず、清掃業者に処理を依頼することになります。あらかじめ手配しておきましょう。

家具の組み立てに必要な道具も買っておく

IKEAなどで組み立て家具を購入する場合、合わせて六角レンチやドリルドライバー(通常の手動ドライバーだと大変なので)なども購入しておきましょう。作業スピードや体力の消費量が大きく変わります。

写真撮影

備品類の設置まで全て終えたら、リスティング掲載用の写真を撮影します。写真の見栄えは予約率に大きく影響するため、自身で撮影するよりもプロに依頼するのがおすすめです。

まとめ

パーティールームの作り込みを行うためには、まずはコンセプトを決めなければなりません。物件の立地などから最適なユーザー像は誰なのかをリサーチし、競合の出店状況も踏まえながら具体的なコンセプトを作っていきます。コンセプトが決まったら、様々なデザインパターンから最適なインテリアデザインを選び、備品の選定や発注、設置を行う流れとなります。

コンセプトメイキングやデザイン・備品の仕様決めは考えることが多く、時間と労力もかかりますが、パーティールーム開業にあたっての最も大切な箇所なので、気合を入れて臨みましょう。

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