世界最大級のOTAで集客力も高いBooking.comには、民泊物件を直接掲載する他に、楽天Vacation Stayに物件を登録すれば自動的に転載してもらえるので、その手段を使う方法もあります。
楽天Vacation Stayを利用すると、楽天トラベルやAgodaなど他のOTAにも転載してもらえるため非常に楽なのですが、その集客力は直接掲載に比べて劣るのでは?という見方もあるようです。
そこでこの記事では、実際に弊社がBooking.comへの民泊物件掲載において、楽天Vacation Stay経由と直接掲載とを両方試してみた結果をお伝えします。
結論:やはり直接掲載の方が予約される
結論から言えば、集客力は直接掲載の方が期待できます。直接掲載では1ヶ月に2~5件ほどの予約が入るものの、楽天Vacation Stayから転載されたほうのリスティングでは、月にあっても1~2件に留まっています※。
※同じ物件ですが、直接掲載・楽天Vacation Stay経由の双方のリスティングが同時に掲載されている状態です。
※楽天Vacation Stay経由の予約は、OTA全ての集計です。そのため実際にはBooking.com経由の予約はさらに少ないはずです。
その理由がどこにあるのか調べてみました。
直接掲載ならプロモーションが打てる
まず、Booking.comに直接掲載する場合は「プロモーション」を設定できるのが強みになります。これは特定の条件において(早割やモバイル・アプリ割など)ユーザーに割引を提供したり、キャンセル料発生期間を短くしたりできる設定のことで、これを行うことによって検索順位が上位に位置されやすくなります。
楽天Vacation Stay経由では、このプロモーションを設定することができないため、そのぶん集客効果が劣ると見込まれます。
楽天Vacation Stayでは施設の紹介文を書けない
またBooking.comではAirbnbのように施設の紹介文を自分で作成することができません。代わりにプロフィール欄に施設の紹介が書ける箇所があるため、そこに宿の詳細を簡単に記載することができます。
しかし楽天Vacation Stay経由だと、この詳細情報を書くことができず、Booking.comがアルゴリズムで自動生成した無味乾燥なテキストのみになってしまうため、ゲストへのアピールが薄れ予約率が低下してしまいます。
楽天Vacation Stayではミスの修正が手間
Booking.comでは、たまに施設の所在地がおかしな表示になることがあります。具体的には、神奈川県箱根町・湯河原町の弊社物件を登録したところ、「箱根町」「湯河原町」ではなく「強羅」「Mongawa」という記載になってしまったため、サポートデスクに問い合わせて修正してもらった経緯があります(強羅・Mongawa共に両町内の一地名。そもそも湯河原の物件は「門川」では無いのに…)。
この記載ミスによって何が起きるかというと、「箱根町」「湯河原町」で物件を検索した際に該当しなくなってしまうため、検索画面を下までスクロールしたところに表示される「周辺の他の宿泊施設」の欄にしか表示されなくなってしまうのです。
弊社の例だと、「強羅」はともかく「Mongawa」で検索するユーザーは10年に1人もいないはずなので、これは放置しておくと致命的です。
しかし、楽天Vacation Stay経由のリスティングは、弊社から修正指示を行っていなかったため、掲載から半年以上経っても依然としてそのミスが修正されておらず、予約の弱さに直結してしまっています。
もちろん、楽天Vacation Stayに修正依頼をすれば対応してくれるはずですが、Booking.comに掲載が完了した旨や、いつ頃掲載されるかの報告は無いため、楽天Vacation Stay経由での掲載のみでOK、という方は注意して、つどBooking.comの検索結果をチェックすると良いでしょう。
まとめ
結論として、楽天Vacation Stay経由で掲載するBooking.comは、直接掲載に比べると確かに集客力は劣る傾向にあると言えます(運営代行会社にもヒアリングしたところ、やはり同様の回答だったため、この仮説は正しい可能性が非常に高いと思われます)。
その要因は、上記のように各種プロモーション施策が打てないこと、施設の紹介文や施設運営者の情報が記載されないこと、位置情報等のミスがあった場合に先方では修正してくれない点が原因だと見て間違いないでしょう。
そのため、民泊の集客チャネルを広げたいのであれば、Booking.comには直接掲載する方が良いでしょう。楽天Vacation Stayに既に掲載を行っていても問題ありません。
なお、楽天Vacation Stay自体には、物件を掲載しておいた方が良いと私は考えています。最大の理由は、執筆時点では楽天トラベルが新規物件の掲載を受け付けておらず、楽天Vacation Stayからの転載のみでしか掲載できないためです。楽天トラベルはじゃらんと並ぶ国内OTA大手で、日本人集客には強みがありますので、掲載しておいて損はないでしょう。
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