レンタルスペースのエリアニーズを調査する方法まとめ

レンタルスペースは立地が売上を大きく左右します。業種によって望ましい立地は異なるものの、基本的には駅から近いほど、商業が盛んなエリアであるほど、集客力は高くなります。

この記事では、レンタルスペース物件を検討するにあたって、どのように立地を評価すれば良いか、エリアマーケティングの手法についてまとめています。難しい内容ではないので、これから新規開業を考えている方はぜひご参考に。

最寄り駅の乗降客数

最も分かりやすい指標の一つに、最寄り駅の乗降客数があります。これはWikipediaに推移も含めて掲載されているので、簡単に調べることができます。

客数が多ければ多いほど、その駅や街に人が集まると考えられるため、集客力は高いと判断できます。実際、世界1位の利用客数を誇る新宿駅、2位の渋谷駅、3位の池袋駅はいずれも日本トップクラスの繁華街で、終日人ごみが絶えません。

ただし、中には鉄道会社間の直通人員が乗降客数にカウントされている駅もあるので(千代田線と常磐線が直通する綾瀬駅など)、注釈が付いていないかどうか、本当に人が多い駅なのか、確認することも必要です。

最寄り駅周辺の年間商品販売額

年間商品販売額とは、対象地域においてどれだけモノが売れたかを金額ベースで表すもので、多いほど商業が活発で集客力の高いエリアだと判断できます。こちらも乗降客数と同じく、新宿渋谷池袋などが上位にランクインします。データは検索すれば様々なものが出てきます。

最寄り駅のレンタルスペース物件数

これは需要ではなく供給の調査ですが、レンタルスペースも商売の御多分に漏れず需要と供給で予約率が変わるため、需要が供給を上回っていると思われるエリアを選ぶことは欠かせません。

私が行っている方法は、スペースマーケット等で「新宿駅」などと検索し、出てくる物件数を把握するというものです。これを行うことで大まかな供給状況がわかるため、想定される需要と照らして出店が望ましいかどうかを判断できます。

予約サイトに出ないレンタルスペースの立地

スペースマーケット等では表示されない(登録していない)貸会議室やパーティールーム、スタジオ、カラオケ等の立地も参考になります。

これらは大箱が多く、個人事業主が出店するような小規模スペースとはターゲット層が違うため、競合にはなりにくいと言えます。むしろ「大手も進出するほどニーズがある地域」と判断できるため、プラスの評価と考えられます。

例えば貸会議室ならTKPやフクラシア等、パーティールームならパセラやバグース、カラオケ店などが参考になります。調査にはGoogleマップが使いやすいです(繁華街がオレンジ色に染まるので繁華性の調査も楽ちん)。

検索ボリューム

Googleで月に数百円以上広告を出稿している方に限られますが、キーワードプランナーを使って「地域名+レンタルスペース」等のクエリの検索ボリュームを調べる、という方法もあります。

上記クエリで検索する人は基本的にスペースを予約したいユーザーと考えられ、十中八九スペースマーケットやインスタベース等にアクセスするので、検索ボリュームが多いほどエリアの集客力は高いと見て良いでしょう。

ちなみに、Google広告を出稿していない方でも使えない手段ではないのですが、ザックリした検索ボリュームしか表示してくれず使い物になりません。興味ある方はこれを機にリスティングやディスプレイ広告での集客も検討してみてはいかがでしょうか?

物件周辺の環境

候補物件の内覧時には、建物だけではなく、必ず周辺環境も精査しましょう。他の項目がマクロ調査だとすれば、これがミクロ調査に当てはまります。今まで得たマクロデータを物件近隣の目線まで絞って検証する作業になります。

物件前の人通りはどれくらい多いのか?どんな人が歩いているのか?マンションが多いのか、ビルが多いのか、戸建が多いのか?どんな店舗が多いのか?オフィステナントはどんな業種が多そうか?近くに学校はどれくらいあるか? 等々、できれば平日・休日の昼夜それぞれの状況を確認できれば望ましいです。

駅から近く、商業が盛んな場所で、レンタルスペース利用者のボリュームゾーンである20~30代が多い立地であれば期待が持てます。その中で、貸会議室なら交通利便性、パーティールームなら繁華性、レンタルサロンやスタジオなら近隣住民の属性(年代、家族構成、所得など)に注目して観察してみると良いでしょう。

近隣の人口と年齢構成

上記にも関連して、特にサロンやスタジオといった近隣住民が利用客になりやすい業種の場合には、その人口規模や年齢構成、世帯構成などを自治体発表の資料などで確認すると良いでしょう。推移も確認できれば、よりポテンシャルが判断できます。

東急沿線などの高所得者層が多く住むエリアもあれば、低所得者層や高齢者がメインのエリアもあり、それぞれで期待収益やレンタルスペースの作り込み方も変わってくるわけです。現地調査と合わせてリサーチしてみましょう。

まとめ

この他にもリサーチ方法は色々ありますが、とりあえず私が行っている主なリサーチ方法をシェアしました。どれも店舗開発では基本となるマーケティング手法で、さほど難しいものではありませんので、ぜひ楽しみながらチャレンジしてみてください。

とにかくレンタルスペースの集客力は「需要と供給」で決まります。まずは物件の立地から需給バランスを調べ、次いで内装やコンセプトといったハード面から差別化を考えて、両面から需要を創出することが大切です。

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