戸建民泊の開業にかかる費用は?必要な備品ごとに目安コストを解説

大人数を収容できる戸建住宅は、民泊を行う上では工夫の余地が大きく、また開業許可等の取得なども比較的やりやすいほか、売り上げも立ちやすいというメリットがあります。

しかし、面積が広かったり消防設備が付いていなかったりするなどの理由で投資額が膨らむ傾向にあるほか、古い物件ではマンション以上に劣化が目立ったりするため注意が必要でもあります。

この記事では、戸建民泊を開業する際にどれくらい費用がかかるかを解説します。

合計費用は200万円から数千万円

民泊への投資額は、目指すグレードによって大きく異なりますが、戸建住宅の場合は最も費用を抑えたプランで200万円程度から投資が可能です。

以下、開業にあたって必要になる主な投資について、それぞれどれぐらいの費用がかかるかを解説していきます(あくまで概算であり、実際には営業スタンスによって大きく変動します)。

不動産の初期費用

物件を購入する場合は、売買代金に加えて、仲介手数料(物件価格400万円超で、物件価格の3%+6万円+税)、所有権移転・抵当権設定登記費用(各10~20万円)、不動産取得税(土地課税標準額の3%+建物課税標準額の3% or 4%)、固定資産税等精算金、印紙代といった費用が発生します。

賃貸の場合は、初回家賃、敷金・保証金(デポジット)、礼金、仲介手数料(家賃の1ヶ月分)、初回家賃保証料(家賃の80~100%程度)、その他契約時に定められた費用が生じます。

いずれの場合も、民泊を運営する場合には民泊用の保険に加入する必要があります(購入物件の場合は義務ではありませんが、リスクを考えると絶対に入っておくべきです)。会員に対して民泊保険を提供する協会の会費として、1年間で25,000円~50,000円程度が発生します。

消防設備・非常用照明

通常、戸建住宅には、民泊を営業するにあたって消防法や建築基準法で規定されている(家主滞在型民泊など一部除外規定はあり)自動火災報知設備や非常用照明などは設置されていません。そのため、これらを防災業者等に依頼して設置してもらう必要があります。

2階建て以下で延床面積80平米前後の戸建住宅だと、特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)と避難誘導灯、それに非常用照明の設置+消火器1台、消防申請書類の作成で合計30万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

ただし、3階建て以上の物件など、特小自火報が使用できない物件も存在します。その場合には通常の自動火災報知設備を設置する必要があり、特小よりも大きく値段が跳ね上がります。投資額は100万円以上にはなると見込まれます。

消防設備は売上に影響を及ぼすものではないので、費用を圧縮するに越したことはありません。そのため、基本的には特小自火報が使用できる物件に絞って探すほうが効率的です。

寝具

戸建住宅は収容人数が多いぶん、小型マンション物件と比べて寝具への投資も相対的に上がります。布団セットは安ければ5,000円程度のものからありますが、正直なところペラペラで寝心地が良くなく、ゲストの心象を悪くする可能性が高いので、弊社では2万円弱の布団セットを使用しています。

布団セットを人数分と、布団カバーを布団1人分につき各3セット用意して、10人収容で25万円程度となるイメージです。布団のグレードと組数次第で価格は上下します。

また、冬場に使う毛布や夏場のタオルケットも用意しておくといいでしょう。いずれも1枚2,000円程度から調達できます。

布団ではなくベッドを用意する場合は、ベッドフレームとマットレスでそれぞれ値段がかさむので、布団よりも値が張ります。グレードによって大きく変化はしますが、シーツやベッドパッド、枕も合わせて1台3万円から10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

なおベッドを安くあげたいなら、1万円台から買える脚付きマットレスを利用すると良いでしょう。ただし、耐久性に優れているとは言いにくく、体重のあるゲストやマナーの悪いゲストが宿泊した際に破損リスクがやや上がること、安物は寝心地が悪く、すぐにヘタってしまうことには注意が必要です。

家電類

必要な家電と目安になる金額は以下の通りです。

そのほか、冷暖房のない場所用に、扇風機や冷風扇、暖房器具なども用意しておいたほうが良いでしょう。

家具類

家具ではダイニングセットが最も高額になるでしょう。ピンキリですが、4人掛けで安いものなら1.5万円程度からあります。他には食器棚やタンス、ラグなどが必要になるでしょう。

家具類の費用は物件によって大きく異なるので(据え付けの収納容量が違うため)一概には言えませんが、10万円程度は見込んでおくと良いでしょう。

食器、コップ、カトラリー類

食器、コップ、カトラリー類は一人あたり3,000円~5,000円程度を見込むと良いでしょう。食器は日本製の焼物などでも安価に購入できるため、こだわりとコストパフォーマンスの両立を狙うのも面白いでしょう。

その他

その他、ゴミ箱やハンガー、間接照明といった小物類で3~5万円程度、バスタオル1枚500円×1人につき3枚分、消耗品類を買い込んで5万円程度を見込んでおきましょう。

リノベーション費用

築古の戸建など、そのままの状態では民泊として営業するのが難しかったり、こだわりのおしゃれな空間を提供したかったりする際には、物件のリノベーションを検討することも必要です。アクセントクロスや塗装で表面だけを綺麗にするのか、間取りも変えてのフルリノベーションを行うのか、内容も金額も多種多様なため、ここでは触れません。

物件のタイプ別、投資額の考え方

普通の住宅を民泊にするのか、別荘や豪邸を利用するのかで、投資額の目安は変わってきます。以下、ザックリとですが投資に対する考え方を書いていきます。

普通の一軒家を民泊にする場合

どこにでもある普通の住宅を民泊にする場合は、およそ200万円から400万円程度の投資額で済ませるのが収支のバランス的には良いと思われます。基本的にはコストパフォーマンスを重視した設備・備品を調達しつつ、アクセントクロスなどで出費を抑えながらおしゃれさを出すリノベーションを行うと良いでしょう。

ただし、東京や大阪などの激戦区では、より本格的なしつらえにしないと難しいであろうエリアもあります。競合が激しい新宿や浅草、ミナミといったエリアや、東京・港区などの高級住宅地で民泊開業を検討する場合には、リノベーションプランも持っておくことが必要でしょう。

別荘を民泊にする場合

別荘を民泊にする場合は、なるべくログハウスなどの内装がおしゃれな物件を狙うのが良いでしょう。リゾート地に泊まるゲストは非日常感を求めているため、普通の住宅とは違うおしゃれな内装を求めるからです。リノベーションを行うよりも、安価に良い空間を確保できるようにしたいところです。

備品も内装の雰囲気に合うものを調達する必要があるため、普通の住宅より少し値が張ります。また、都市型民泊と異なり、ゲストが施設内に滞在する時間が比較的長くなる傾向にもあるため、過ごしやすさにこだわって快適な空間を作る必要があります。

寒い地域では暖房を多く導入する必要があるほか、家事の手間を省けるドラム式洗濯乾燥機や食洗器、充実した調理器具などを採用するのもバリューアップのポイントになるでしょう。

豪邸を民泊にする場合

ラグジュアリーな物件を民泊にするのであれば、内装も高級感あるものにする必要があるため、投資額は大きくなります(もちろん、宿泊単価が上がるので売上も大きくなります)。リノベーションに加えて、食器や家具なども良いものを揃えておく必要があるため、少なくとも500万円以上の出費は見込んでおきましょう。

高額な家具はリユース品を探すと比較的安価に調達できます。状態の綺麗なものをWebなどで探してみるといいでしょう。メルカリやジモティーにも高級品はたくさんあるので、活用すると便利です。

まとめ

戸建物件で民泊を開業する際の初期費用は、およそ200万円程度からとなります(不動産購入代金を除く)。ただし物件のグレードによって大きく必要な投資額が異なるため、事前に必要な備品や工事をリストに洗い出してから具体的な商品等を当てはめ、どれくらいのコストがかかるかを測ると良いでしょう。

民泊は他の宿泊施設と同様に、不動産がものを言う装置産業です。投資を行ったぶんだけ物件の価値は上がり、ゲストに提供できる価値も高くなって売上がアップします。一方、投資を絞れば早期に投資回収が可能になるため、コストパフォーマンスを追求しながらお洒落で快適な空間を作ることも重要です。

民泊の開業を考える際は、初期投資のプランを冷静に考え、資料として情報をまとめておくと良いでしょう。つど確認しながら作業を進められるほか、融資を受ける際にそのまま金融機関に提出もできるため便利です。じっくりと進めてみてください。

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