民泊では布団とベッドどちらを導入すべきか

和風の物件で民泊を開業する際、寝具をベッドにしようか、布団にしようかと悩むことは往々にしてあります。ここではどちらを導入すべきか、弊社なりの考え方を記します。

ベッドの方が人気が高い

基本的に、日本人にも外国人にも、ベッドの方が布団よりも人気が高い傾向にあります。

「日本人は布団よりベッドを好む」ということは、感覚値でご理解いただける方も多いと思います(高齢の方は布団を好むイメージがありますが、民泊利用者は少ないので…。以下は古いデータですが無印良品が行ったアンケート結果で、若年層を中心にベッドのほうが好まれる傾向にあることが分かります。

一方、「外国人観光客には、日本ならではの布団で寝たい、という需要があるのでは?」と考える方も多いかと思いますが、実際には慣れ親しんだベッドでゆっくりと寝たいというニーズのほうが強いようです。

外国では家でも靴を履いたまま生活するため、地べたに座るという習慣がありません。そのため、いくら畳の上であろうと、そこに布団を敷いて寝るということは、貴重な体験にはなっても、ゆっくり休めるかと言われれば不安を持つ方も多いのでしょう。

こうした理由から、一般的には布団よりベッドを導入した方が集客には繋がりやすいと考えられます。

布団を導入するほうが良い場合

しかし、ベッドよりも布団を導入した方が良い場合もあります。 弊社の民泊では基本的に布団をメインにしており、ベッドの備え付けは一部のみとなっています。その主な理由を解説します。

投資額を低くしたい

ベッドに比べると布団は安価に導入できます。 グレードにもよりますが、寝具一式で一組1~3万円程度です。 ベッドの場合はフレームとマットレス等を合わせて、安くても一式3万円~なので、布団の方が安上がりになります。

ただし、敷布団が薄いとゲストは腰が痛くなってしまい、滞在に悪影響を及ぼしてしまうため、厚みのある敷布団を選ぶか、敷マットレスも合わせて用意する必要がある点には注意しましょう。

収容人数を増やしたい場合

旅館業法では寝室の収容人数に制限が設けられています。自治体により少々違いはあるものの、旅館・ホテル営業における必要な客室の床面積は、「ベッドを置く部屋では9㎡以上&一人あたり4.5㎡以上、置かない部屋では7㎡以上&一人あたり3.3㎡以上」が求められます(簡易宿所や民泊新法ではベッドの有無による必要面積の相違はなし)

収容人数が大きいほど売上は上がりやすくなるため、大人数の宿泊を狙うのであれば布団を導入するのも良いでしょう(二段ベッドを導入するという手もありますが、畳が凹んでしまうため、板張りの部屋に限定されます)。

子連れ客を狙いたい場合

乳幼児を連れるゲストは、ベッドで寝る洋室よりも、布団で寝る和室の方を好む傾向があります。子供は寝相が悪いため、ベッドから転落してしまう危険があることや、ハイハイする赤ちゃんや走っている最中に子供が転んでしまうことも考えると、板張り+ベッドよりも畳+布団の方が優しいのです。

また、布団があれば必ずしもベビーベッドを用意しなくて済むため、この点でもコストを抑えることが可能です(子供用布団とおねしょシートは用意した方が良いですが)。

まとめ

安定した集客を目指したいなら積極的にベッドを導入したいところですが、予算やターゲットによっては布団をメインにしても良いでしょう。

寝具は民泊の備品の中でもゲストの滞在体験を大きく左右する大切なものなので、よく吟味して、安かろう悪かろうではないしっかりしたものを選んでみてください。

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