民泊とゲストハウスの違いは?営業許可や収支などを比較

ときおり混同されることのある民泊とゲストハウスですが、実際には宿泊施設の特徴や宿泊客の人数などが大きく異なります。この記事では事業者側の観点から民泊とゲストハウスの違いについて簡単に解説します。

これから宿泊施設を開業したいと考えている方で、民泊とゲストハウスとの違いがまだ整理できていない方には参考になるかと思います。

民泊とは

民泊とは、主に住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づいて行われる、「民家に人を泊めるスタイルの宿泊施設」を指します。この「民家」という点がポイントで、ホテルや旅館など従来型の宿泊施設とは一線を画す概念です。Airbnbの登場により、民泊という概念が世界中に広がりました。

民泊ホストは自分の家の空き部屋や、あるいは一棟丸ごとゲストに貸し出して収益を得ます。一組限定とすることが一般的で、民家の一部屋に1~3人程度で泊まる物件もあれば、大きな住宅を20名以上で利用できる施設もあるなど多種多様です。

一棟まるごと貸し出す場合には、スタッフ不在の無人施設として運営されるケースが多く、弊社でも全ての民泊物件が無人型の「まるまる貸切」物件です。無人運営はまだ宿泊施設では珍しく、民泊の大きな特徴の一つとなっています。

民家で暮らすように滞在できることから、ゲストの滞在期間中にホスト側で清掃や洗濯物を行うことは基本的に無く、素泊まりタイプがほとんどであり、キッチンで自炊をするゲストも多いなど、これらの点も従来型の宿泊施設とは少々異なるニーズのマッチングがあると言えます。

一組限定・一棟貸しであること、住宅宿泊事業法では年間180日までしか営業できない(旅館業法に基づく物件もあります)ことから売上には限界があり、一方で大きな投資が必要ないケースも多いことから、比較的ローリスク・ローリターンのビジネスモデルだと言えます。

ゲストハウスとは

ゲストハウスとは、ゲスト同士あるいはゲストとスタッフの交流を主軸に据えた宿泊施設のことを指すことが一般的です。特にドミトリー(相部屋)をメインとし、一つの寝室に複数組のゲストを泊めるスタイルが多く見られます。

スタッフは通常の宿泊施設の運営作業の他に、ゲストと交流して楽しい思い出を作ってもらえるように振る舞うのも仕事の一つです。交流を主体とするため、オーナー、スタッフ、ゲストいずれもバックパッカーなど旅好きの人が多い印象です。家主滞在型民泊もゲストとホストの交流を重視する傾向にありますが、ゲストハウスは多対多の交流が特徴的です。

ゲストハウスは宿泊単価が安く薄利多売モデルになるため、稼働率の高さがカギを握ります。ホテルや旅館に比べると投資額は多くないものの、ベッドなどの寝具やシャワー、トイレなどの増設にお金がかさむため、民泊よりはリスクが高くなります。

ゲストがそれぞれに求めるものは?

民泊とゲストハウスの違いを、今度は主なニーズから検証してみます。

民泊のニーズ

民泊に対するゲストのニーズは、「家主滞在型」と「家主不在型」で分かれる傾向にあります。

  • 家主滞在型:現地住民(ホスト)との交流を楽しみたい、その国の文化や生活に触れたい、少人数で安価に滞在したい
  • 家主不在型:貸切空間を四人以上のグループで楽しみたい、子供が騒いでもいい施設に泊まりたい、自炊やホームパーティーをしながら宿泊したい、複数人で長期滞在したい

家主滞在型民泊を利用するゲストは、ホストとの交流を楽しむ目的や、現地の暮らしや文化に触れたいという思いがあります。

対して家主不在型では、貸切空間を大人数でゆったり楽しみたいというニーズが多い傾向にあります。ホテルや旅館では難しい、キッチンで自炊をしたり、ホームパーティー的に楽しんだりするニーズを掴める点が特徴です。

ゲストハウスのニーズ

ゲストハウスには主に「少人数でとにかく安く泊まりたい」「旅仲間と交流したい」というニーズがあります。不特定多数の人と交流ができる点はゲストハウスの大きな特徴であり、これを求めて宿泊しに来るゲストが大勢います。

宿泊施設自体のグレードよりも安さを重視するゲストが多いため、高級な寝具や備品は必要なく、清潔感と交流がしやすい環境さえあれば支持されやすくなるでしょう。

まとめ

民泊とゲストハウスの違いを表にまとめると以下の通りです。

民泊 ゲストハウス
営業許可 主に住宅宿泊事業法 旅館業法(簡易宿所)
コンセプト 民家で暮らすように滞在する ゲストやスタッフとの交流を楽しむ
宿泊客数 一組限定、収容1~10名程度が多い 1人客が多い、相部屋が多い
収支の特徴 ローリスク・ローリターン 薄利多売、ミドルリスク・ミドルリターン
ゲストのニーズ 家主滞在型:ホストとの交流、生活や文化を知る
家主不在型:貸切空間を大人数で楽しむ
少人数で安く泊まりたい
旅仲間と交流したい

民泊は住宅を一組限定でゲストに貸すのが一般的なスタイルで、大きな売上は見込みづらいものの投資額は抑えやすいため、比較的ローリスク・ローリターンなビジネスモデルと言えるでしょう。

ゲストハウスは相部屋をメインとして一部屋あたりの収容人数を増やし、ゲスト同士やスタッフとの交流を楽しんでもらうスタイルの宿泊施設です。薄利多売モデルながら、うまく稼働できれば民泊以上の収益は期待できます。一方、寝具や水回りなどへの投資額がかさむため多少リスクは上がります。

どちらも同じ宿泊施設ではあるものの、運営方法やゲストのニーズなどが大きく異なるため、自身がどちらを開業したいのか、開業すべきかは冷静に考えて判断してみてください。

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