地方・田舎で不動産投資する場合の物件チェックポイントまとめ

不動産投資

私は個人で築古戸建に絞って不動産投資を行っており、執筆時現在でこれまでに6戸を購入、4戸を運用中です。大家としての規模は大きくありませんが、地方の物件やボロ物件を運用するノウハウは相応に体得してきました。

地方不動産への投資は、「借り手が付かなさそう」「売れなさそう」というイメージもあり、利回りが高いとはいえ敬遠するところもあると思います。ですが、地方には地方なりのやり方や旨味があるため、ポイントを押さえておくことで投資を検討することは十分に可能かと思います。

この記事では、地方・田舎で不動産投資をする主なメリットとデメリットを押さえたうえで、物件を選定する際のチェックすべきポイントをまとめていきます。

地方不動産投資のメリット

地方で不動産投資を行うメリットには以下のようなものがあります。

  • 利回りが高い
  • 物件価格が安い
  • 競合に勝ちやすい
  • 地縁や人脈を活かして有利に立てる

地方の不動産は東京などに比べると圧倒的に安く、結果として高利回りを実現できます(デメリットの項で説明するリスクゆえ、ですが)。毎月の手残りを着実に増やしていきたい方には検討の余地があると言えます。

また、賃貸需要の厚い都会に比べると参入する人も少ないため、場所によっては周囲に競争力のない物件しか存在しないことも珍しくありません。そのため、リノベーションや設備更新などで相対的なバリューを高めやすく、人気物件を作る難易度も低くなります。

他にも、地縁のある地域であれば、都会での不動産投資以上に人との繋がりが強く活きてくると言えます。具体的には、不動産屋から公開前の情報を優先的に貰えたり、不動産屋に相談する前の不動産売却情報を得たりできるチャンスが掴みやすくなります。

地域にもよりますが、総じて「マーケティングとバリューアップさえしっかりやれば、高利回り運用を実現しやすい」というのが地方不動産投資のメリットです。

地方不動産投資のデメリット

対して以下のようなデメリットもあるため、メリットと天秤にかけ、リスクヘッジを考えつつ、参入を検討する必要があります。

  • マクロでは賃貸需要は少ないうえ先細り
  • 築浅物件が少なく中古での取得が難しい
  • 担保評価は望めない
  • 売却しづらく地価上昇も期待できない

日本では、東京に人口や経済力が集中し、その他の地域は全体的に衰退が続く傾向にあります。実はこの流れは世界中同様で、現在の経済構造上の自然な成り行きとする研究が一般的であることから、現在も今後も日本の地方衰退は避けられないでしょう。

地方衰退、人口減少の影響により、地方の不動産が立たされている状況は厳しいと言えます。具体的には、「この街に住みたい」という人の絶対数がどんどん減っているため、賃貸需要も不動産価値も下がり続けていくうえ、金融機関もそれを理由に担保価値を認めない傾向があるのです。

つまり、地方での不動産投資は「資産(B/S)ではなく、利益(P/L)を軸に考える投資」だと言えます。都会の不動産をレバレッジを効かせて購入するようなスピード感や事業規模ではなく、個人が暮らせる程度のキャッシュフローを堅実に積み上げるスタイルが向いています。

地方不動産投資の立地戦略

さて、以下から、地方や田舎の不動産を検討する際に見ておくべき具体的なチェックポイントを解説していきます。まず最初は立地戦略について。

大都市でも地方でも、やはり不動産投資で非常に大切なのは物件の立地です。立地次第で取れる家賃や空室期間が大きく変わり、収支に強い影響を及ぼすため、居住ニーズがある立地かどうかを見極めるのは不動産投資家として必須のスキルです。

地方は大都市とは異なる立地戦略が求められるので、それについて解説していきます。

駅徒歩よりも自動車の利便性に注意

地方都市のほとんどは公共交通がさほど発達しておらず、電車よりも自動車での移動がメインになります。そのため、駅からの距離よりも「幹線道路に近いか」「ロードサイド店舗が近くにあるか」「高速のICまでどのくらいの距離か」といった、車目線での検討を行う必要があります。

もちろん、一日の乗車客数が10,000人を超えるような主要駅から徒歩でアクセスできる立地は優位ですが、そのような物件は限られているため、基本的には車の利便性で立地判断をすべきです。

また、道路付けも重要です。細い道や見通しが悪い道、未舗装路は走行しづらいためマイナスポイントですし、物件に駐車スペースがあっても停めづらければ競争力は低くなります。

都会以上にエリアの人気・不人気に注意

地方では大都市以上にエリアの人気・不人気が客付けに影響を及ぼします。そもそも地方は大都市に比べて客付けが難しく、空室期間が長くなりがちなのですが、本当に人気のないエリアを選んでしまうと賃貸経営が立ち行かなくなるレベルにもなりかねません。

人気のエリアであれば大都市と同様に客付けは比較的スムーズに行きやすいものの、少子高齢化が進んで空き家が増えたニュータウンや不便な集落、環境の悪い工業地域や旧被差別部落といった地域では苦戦を強いられる可能性は高いと言えます。

そうしたエリアにある物件は控えた方が無難です。以下のように賃貸仲介業者や地元の人達にヒアリングを行い、検討中の物件の立地の良し悪しを確認すると良いでしょう。居住ニーズが無ければ、リノベーションを頑張ったり事業用途で貸し出したりしても苦戦は免れません。

エリアの人気・不人気を判断するには

エリアの人気を判断するには地元の不動産屋に聞くのが一番ですが、バイアスの掛かっていない意見として、地元民からヒアリングするのも有効です。その他、公示地価の推移や人口推移も確認すれば精度が上がります。

また、手っ取り早い手段として「役所・役場の近くのエリア」を選ぶのもおすすめです。行政の施設が立地するのは基本的に中心市街なので、通勤利便性や買い物の利便性も高く、インフラも整っており、比較的安定した賃貸ニーズが存在すると考えられるからです(僻地に役所を置く街も見られるため、リサーチは不可欠ですが)

その他にエリアを判断する要素としては「新しい住宅が多いか」「空き家(貸家・売家含む)が少ないか」「災害に強いかどうか」という点があります。特に災害に関しては、南海トラフ沿岸では津波が来るエリアの人気がガタ落ちしているので避けましょう。その他、地名に「洲・沼・江」など水場を意味する言葉が入っていないかどうかやハザードマップも確認しましょう。

また、近隣に不動産屋がないエリアもやめておいた方が無難でしょう。不動産取引のニーズが無く、商売が成り立たないのでは?という仮説が生まれるためです。

地方物件の建物・設備の判断ポイント

また、地方の物件に入居する方は、建物や設備、内装に対して大都市の住民とは少々異なるニーズを持っています。この点を知っておくことで、より客付けがしやすい物件選びができたり、不必要な改修費を支払わなくて済むようになるでしょう。

駐車場は必須、できれば二台以上

地方では自動車での利便性が重要と上述しました。もちろん、駐車場の有無や台数によっても、客付けの反応は大きく変わります。山がちで土地面積が少ないエリアや、駐車場の付いた物件が少ないエリアなどでは影響が顕著です。

基本的に駐車場は必須、最低でも軽一台が停められるスペースがあることを条件に考えると良いでしょう。普通車が二台以上停められるスペースがあれば、高めの賃料を取ることも狙えます。

駐車場がない物件でも立地によっては何とかなるものの、やはり客付けにはビハインドを感じざるを得ません。隣接するブロック以内に月極駐車場があっても十分とは言えないのが実情なので、慎重に判断すべきと言えます。

内装・外観は古くても何とかなる

上述の通り、地方には築古の物件が多く、持ち家でも貸家でも古い家にお住まいの方が多いため、多少物件に古さが残っていても大した問題はないと言えます。いかにも昭和な感じの化粧合板や、剥げていない砂壁、漆喰程度なら、必ずしも手を入れなくても構いません。

雨染み跡が残る砂壁。このままでも借り手は付きました

もちろん、新しい壁紙を貼るなどでリノベーションをすればバリューアップを狙えますが、必ずしも必要はありません。賃料の増額幅を期待できる場合やバリューアップをしないと厳しそうな物件の場合のみ検討すれば足るでしょう。

水回りは重要。汲み取り便所はマイナス

都会でも地方でも水回りはやはり重要です。特に綺麗なお風呂とトイレは客付けに影響します。というのも、ファミリー向け物件の場合は基本的に奥さんが実質的な意志決定者となるケースが多いため、水回りがきれいで女性ウケの良い物件は強いのです。

田舎の方に行くと下水道が整備されていない地域も多く、汲み取り便所の物件も散見されるのですが、避けたほうが良いと言えます。水洗化費用もバカにならないので、下水道に接続されているか浄化槽が設置されていて水洗トイレを備えている物件から選びましょう。

その他、地方不動産ならではの注意点

この他にも、地方物件ならではの確認しなければならないポイントもいくつか存在するので挙げておきます。

近隣に変な人、攻撃的な住民はいないか

地方、特に田舎に行けば行くほど近所付き合いが密になってくるので、実は近隣住民がどんな人かを知ることや、実際に話をして顔見知りになっておくことも重要です。

万が一、物件の近くに変な人や攻撃的、排他的な人がいた場合、大家になるあなたや入居者と何らかのトラブルになる可能性も考えられます。そうなれば精神的負担になるうえ、入居者が退去してしまう事態に繋がる可能性もあります。

逆に、近隣住民と仲良くなって連絡先を交換できたら、物件に何かあった時に連絡をよこしてくれたり、近隣の売り物件を紹介してくれたりすることもあります。本気で検討を進めたい物件がある場合、近隣へのあいさつを事前にしておくことをおすすめしますしなくても何とかなりますが、ほぼデメリットしかありません)

既存不適格や越境には要注意

地方の不動産には古い物件が多いため、適当に取り扱われていることが多く、増改築をしても未登記のままの物件は珍しくないほか、建物が未登記の物件もザラにあります。また、土地も境界が非明示であることが多く、越境している・されている物件も珍しくありません。

越境がある場合、隣地の所有者と話をしつつ越境状態を解消する必要があります(すぐにではなくても、いずれ必要になります)。その他にも、未登記物件や既存不適格物件、違法建築物件の場合、増改築をしたり、用途変更を行う場合などに支障が出るほか、融資を受けられない可能性も高いので要注意です。

築浅の物件ほど、上記のような問題を持っていない可能性は上がりますが、供給が少ないエリアも珍しくありません。旧耐震基準の物件には上記のような様々な欠陥がある可能性が高いため、冷静にチェックしてリスクを精査しましょう。

近隣の大学や工場などに客付けを依存しないか

田舎での不動産投資には恐ろしい逸話があります。「近くにある工場の従業員をアテにしてアパートを建てたが、数年後に工場が閉鎖されて入居者が一気にいなくなり、家賃を1万円以下にしても決まらなくなった」といった内容です。

実際に不動産ポータルサイトで、検索条件を何も指定せずに「家賃の安い順」で並べてみれば、これが真実だということが分かるでしょう。

大学や工場、企業以外に何もないエリアの物件に投資をする際は、それらの移転や閉鎖の計画がないかどうか、企業の経営状況は悪くないか、といったことを調査することや、もしそこからの客付けを期待できなくなった場合に賃貸経営が成り立つのかを考えることは必須です。

まとめ

地方の不動産に投資することで、都会の物件ではなかなか実現しにくい高利回りの投資を達成しやすくなります。表面利回り20%以上はもちろん、中には50%を超えるような実績を出している方の話もよく耳にします。

ただし、家賃収入と並んで不動産投資の妙味である資産価値やキャピタルゲインは期待しづらいこと、都会の物件に比べて独自の確認ポイントも多いことなどから、必ずしも簡単に儲かる手法ではないことを留意したうえで投資判断をする必要があります。

個人的には、地方の築古物件をインバウンド観光客向けの宿泊施設にコンバージョンして運営する手法に注目しています。融資を引くのは難しそうですが、インカム・キャピタルゲイン共に狙えるうえ、社会的な意義も大きいと考えているので、リサーチを続けているところです。

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