仮想通貨決済の電子マネーやクレジットカード決済に対する優位性とは

仮想通貨決済を導入する店舗は日本国内でも少しずつ増えてきましたが、それでもまだ「浸透してきた」とは決して言えない状況です。その理由としては様々なことが考えられますが、「仮想通貨決済を導入するメリットがよくわからない」という点も大きな要因の一つでしょう。

また、すでにクレジットカード決済や電子マネー決済を取り入れている店舗においては、仮想通貨決済を導入する意味はより分かりにくいのではと思います。そこで今回は、店舗への導入を想定した「仮想通貨決済の電子マネーやクレジットカード決済に対する優位性」について紹介していきます。

 

決済手数料が少ない

仮想通貨決済を導入する際にまず挙げられるメリットが「決済手数料が少ない」という点です。

クレジットカード決済を利用する場合、店舗側はクレジットカード会社に対して加盟店手数料の支払いが必要になります。この手数料は店舗によって差はありますが、おおよそ4%~7%程度とされています。

電子マネー決済を利用する場合も同様です。こちらも導入するサービスによって手数料に幅はありますが、店舗側が負担する手数料は2〜4%程度が一般的です。

これらのクレジットカード決済・電子マネー決済と比較した場合、仮想通貨決済においては手数料を1%程度に抑えることが可能なため、コストメリットがあると言えます。

この手数料の差を具体的な事例で考えてみましょう。年間の売上額を5,000万円とした場合、それぞれの決済手数料の金額は以下の通りです。

  • クレジットカード決済(手数料率5%) 手数料250万円
  • 電子マネー決済(手数料率3%) 手数料150万円
  • 仮想通貨決済(手数料率1%) 手数料50万円
    ※手数料率はおおよその平均値を代入しています。

このように、決済方法を仮想通貨に変えるだけで100万円以上も多くのキャッシュを残せるケースも十分に考えられるのです。クレジットカードや電子マネー決済の割合が高い小売業においては、この差は見過ごすことのできないコストだと言えるでしょう。

また高額商品を取り扱う家電量販店や、クレジットカード払いが主流となっているECサイトにおいてもより大きなメリットを享受できるはずです。

 

スマートコントラクトによる運営コストの削減

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン技術を活用した「契約を自動的に実行する仕組み」のことを意味します。スマートコントラクトを搭載する代表的なブロックチェーンには、例えば「イーサリアム」が挙げられます。

では「スマートコントラクトを導入するとどんなメリットがあるのか」という点について、「自動販売機」を例に考えてみましょう。

スマートコントラクトやブロックチェーンを使わずに一般的なシチュエーションで考えた場合、設置した自動販売機から得られる情報は「どの飲み物が何本売れたか」「1日の売上額の合計はいくらか」といった情報に限られます。

これに対して、飲み物の売買にスマートコントラクトを活用した場合は、以下のような情報を随時記録していくことが容易になります。

  • 支払元…飲み物を買った人(のアドレス)
  • 金額…150円
  • 飲み物の種類…ブラックコーヒー
  • 購入日時…2019年5月14日 16:00
  • 購入数量…1本
  • 残数…20本

このように詳細な記録を残そうとした場合、従来であれば新しい機器の導入や人手を増やすなどの追加投資が必要になりますが、スマートコントラクトを利用することでこれらの詳細な売買記録をブロックチェーン上に簡単に残すことができるのです。

今回は自動販売機を例に説明しましたが、もちろんそれ以外の様々なシーンにおいてスマートコントラクトの活用が考えられます。今までであれば当事者間で契約書の締結が必須だった取引においても、スマートコントラクトを利用することで「一切の書類のやり取りをなくす」ということもできる可能性があります。

結果として、契約の作成やチェック、締結などにかかる運営コストの大幅な削減が実現可能になります。さらに、契約内容はブロックチェーン上にコードとして記述され、誰でも閲覧可能なことから不正や改ざんが難しく、「契約の透明性」についても確保されるというメリットもあります。

 

ユーザーが申込の手間なく決済を利用できる

仮想通貨決済と聞くと、ユーザー側も「難しそう」というイメージがついてしまいますが、実際は申し込みの手間等もなく手軽に使うことができます(ただし仮想通貨取引所への口座開設は必要)。

自分が保有している仮想通貨をわざわざ日本円に換金する必要はなく、そのまま買い物の支払いなどに使えるので面倒な手続きもありません。

店舗に仮想通貨決済を導入する場合、主に以下2つの方法を利用することが考えられます。

  1. 仮想通貨取引所や決済代行会社が取り扱う「仮想通貨決済サービス」を利用する
  2. 店舗で仮想通貨ウォレットを準備し、そこに直接送金してもらう

いずれの場合にも、ユーザー側にとってみれば「レジで提示されたQRコードを読み取って決済する」ということに変わりはありません。

ユーザー側の端末に仮想通貨を送るためのウォレットアプリなどがインストールされていれば、申し込みなどの面倒な手間なくスムーズに支払いを済ませることができます。これにより、クレジットカードを持っていない層にもキャッシュレス決済のアプローチがしやすくなると言えるでしょう。

 

世界中どこでも両替不要で決済できる

仮想通貨は日本円や米ドルといった「法定通貨」と違って、原則として国家単位で運営されている通貨ではありません。言ってみれば「世界共通の通貨」であるため、仮想通貨が利用できる場所であれば、国に関係なくどこでも両替不要で決済することができます。

例えば海外旅行に行く時、通常であれば日本円を現地通貨に両替してから旅行を始める方が多いですよね。その場合、事前に両替する手間が発生し、また両替手数料もかかってしまいます。

一方、仮想通貨であればそのような法定通貨との両替にかかる手間や手数料が不要になるので、海外に出かける際にも高い利便性が期待できます。

また、この点について電子マネーと比較すると、電子マネーは「その国の通貨を電子化したもの」であるため、日本でチャージした金額を海外で使うことはできません。

クレジットカードは基本的に世界共通で利用できますが、外貨決済時にはカード会社の為替手数料を上乗せしたレートで支払いをしなければなりません。

このような点に加えて、「海外送金」を行う際にも仮想通貨の利用が便利です。海外送金を銀行を介して行う場合、本人確認や各種書類の準備など申し込み手続きに関わる負担が大きく、送金手数料も決して安くありません(個人レベルで一回数千円程度)。

仮想通貨であれば、送る相手のウォレット情報さえ分かっていればインターネット上から簡単に海外送金が可能です。送金手数料も銀行などを利用する場合と比べると非常に安く済み、早い場合は数分以内に送金が完了します。

 

仮想通貨決済の課題は何か

本記事で紹介してきたように、仮想通貨決済は導入するにあたって十分なメリットがありますが、いくつか課題も残っているのも事実です。

現状大きな課題として考えられているのは「価格変動が大きい」という点です。仮想通貨は日本円や米ドルなどの法定通貨と異なり中央管理者が存在せず、その価値は主に通貨に対する「需要と供給」で決定されます。

そのため、例えば仮想通貨に関する事件や各国の規制などのネガティブな内容が報じられれば、その通貨に対する「不安感」が生じ、価格を押し下げる要因となってしまいます。これは法定通貨も同様ですが、仮想通貨の場合は取引量が少ないぶん価格変動が激しいのが特徴です。

場合によっては1日で10%以上の価格変動も十分に起こり得る現状を考えると、「仮想通貨を日常的な決済手段にする」ということは、ユーザー側にも店舗側にもハードルが高いと言えるでしょう。

これに加えて、「仮想通貨の利用者がまだまだ少ない」という点も改善が待たれるポイントです。利用者が「仮想通貨決済を試したい」と考えたとしても、その人数はまだまだ少ないため、売上アップ効果は限定的と言えます(ただし、少ないがゆえに仮想通貨フリーク層へPRができる点は魅力です)。

 

仮想通貨は、生活の利便性を大きく向上させてくれる可能性を持っています。まだその魅力やポテンシャルが十分に認知・発揮されているとは言いがたいですが、徐々に盛り上がっていくことが期待されます。

今後は仮想通貨がクレジットカードや電子マネーと並ぶキャッシュレス決済手段の代表格となるかもしれません。

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