P2Pネットワークを形成するブロックチェーンは、通常のサーバーと異なり「サーバーがダウンしてシステムが使えなくなることが原則として無い」「定期的なサーバーメンテナンスを行う必要がほぼ無い」という強みを有しています。そのため、金融決済システムなどサーバー障害発生時に多大な影響が出てしまう決済システムへの活用が進んでいます。
2009年から実用化されたビットコインは、誕生してから10年経つ今でも、一度もそのブロックチェーンが活動を停止したことはありません。たびたびサーバーメンテナンス等で利用ができなくなるオンラインバンキングのことを考えると、この強みが分かるのではないでしょうか?
また、ブロックチェーンでは決済や契約を自動化できるスマートコントラクト(参考記事)という機能を利用することができ、これによって決済システムを24時間、無人で機能させ続けることも可能になるという強みを有しています。
P2Pネットワークによるゼロダウンタイム
なぜブロックチェーンがダウンせずに稼働し続けることができるのか、またサーバーメンテナンスを入れなくても済むのかというと、複数のノード(ネットワークに接続されている端末のこと)がブロックチェーン上のデータを各々保存し、ネットワーク上で情報を同期・ダウンロードする「P2Pネットワーク」の仕組みを採用しているからです。
例えば1万台のノードがブロックチェーンのデータを共有し、相互にやり取りをしているとしたら、そのうちの2台のノードが機能しなくなっても、残りのノードから情報を共有すれば良いので、ブロックチェーンの動きが止まることは無いのです。そのため、一台でシステム全体を稼働させる通常のサーバーの仕組みと異なり、事業者はメンテナンスやサーバーダウンに悩まされることが無くなるのです。
このP2Pの仕組みは、古くはWinMXやWinnyなど、最近ではLINEやSkypeといったコミュニケーションツールなどに幅広く活用されているものです。事業者はサーバーにかけるコストやリソース、負荷を削減することができるため、サービスの一部(LINEでは画像などの送付時)にP2P通信を取り入れている企業も複数存在します。
仮想通貨により安価な決済システムが導入可
上記のような仕組みにより、従来のクレジットカード決済システムなどに比べると、仮想通貨決済システムはより低いコストで導入を行うことができ、またサーバーダウンによる送金ができない時間を無くすことも可能になります。
例えば、Squareや楽天ペイといったクレジットカード決済の相場は売上の3.24%ほどですが、Coincheckなどが提供しているビットコイン決済システムなら1.08%程度まで押さえることができます。また、決済システムを使わず、直接会社のウォレットアドレス宛に送金してもらう形であれば、決済手数料ゼロでオンライン決済を導入することも簡単にできます。
サーバーダウンを気にせずいつでも利用でき、かつ手数料も安い仮想通貨取引。「値動きが激しすぎて、事業決済で受け入れるにはちょっと…」とお考えの事業者様もご安心を。ちょっとの工夫でその為替リスクを無くすことも可能ですので、試しに導入を検討してみてはいかがでしょうか?