日本から世界各国の人達と事業をテレワークで運営した方法をまとめてみる

日本から世界各国の人達と事業をテレワークで運営した方法をまとめてみる

最近、コロナウィルスの影響で、にわかにテレワーク(リモートワーク)が注目されはじめました。私の周囲でもテレワークになったという方の声が多く、にわかにZOOMなどを使ったオンラインセミナーの本数も増えてきています。

さて、そんな中私はというと、PC一台でどこでも仕事できるスタイルをかれこれ1年半ほど続けています(副業・兼業期間も合わせると8年ほど)。具体的にやってきた内容としては、アフィリエイト、輸入販売、ライティング、記事編集、そして今回お話しする仮想通貨プロジェクトの運営といったところです。

今はなかなかテレワークに慣れない方や、テレワーク化によってマネジメントや業務フローの整備をどうしようか…と悩む管理職の方も多いことでしょう。そこで、今回は弊社が複数国籍のスタッフをまとめて完全テレワークで運営した、仮想通貨KanadeCoinプロジェクトにおける知見を共有したいと思います。

このテレワーク環境下でどのようにチームマネジメントや業務フロー整備を行っていくのか、従業員の生産性やモチベーションが落ちない仕組みをどう作るのか、テレワークを効率化する良いツールは無いのか…といったお悩みをお持ちの方にはヒントがあるかもしれません。

 

完全リモート環境の事業運営でやったこと

KanadeCoinは、仮想通貨を軸にして形成されるコミュニティ(経済圏、トークンエコノミー)をもとに事業を作ることと、スマートコントラクトの実験という意味合いからスタートした独自開発の仮想通貨プロジェクトです。

コインに組み込まれたスマートコントラクトを利用する簡単なアプリケーションやSDKをITエンジニア向けに提供することで、簡単にスマートコントラクトを体験し、ブロックチェーンアプリケーション(DApps)を作れるようにしたり、コインの使い道を作ったりする形で価値を生み、独自の経済圏を作ろうという試みです。

ビットコインを代表する仮想通貨は、思想として「国に縛られない」ということが根付いているため、英語ベースでグローバルに事業展開がなされるのが通常となっています。ゆえに我々も立ち上げ当初から日本語と英語とで国内外に向けてプロモーションを行っていました。

当初チームは日本人のみでしたが、SNSを軸にプロジェクトを進める中で運営スタッフを募集し、様々な国のスタッフと7ヶ国語で情報発信ができる体制を整えました。彼らとは実際に会ったことはなく、顔も名前も知りませんが、チャットで連絡が取れる環境さえあれば特に問題はありませんでした。

 

さて、実際にKanadeCoinプロジェクトで実行したテレワークの重要なポイントをまとめると「SNSとチャットツールを駆使する」「ユーザー内からスタッフを募集する」といった2点に収れんします。

以下からは、これらの取り組みについて詳しくお話し、貴社のテレワーク導入・改善に役立てて頂けるように展開していきます。

 

SNSとチャットツールを駆使する

テレワークの定番ツールといえばSlackなどのチャットツールです。メールよりも素早い連絡や細かい意思疎通ができ、電話と違いやりとりが文章に残り齟齬がなく、リアルタイム性も確保できるため、テレワーク環境下の社内連絡手段としては必須だと言えます。

我々はSlackと同じようなチャットツール、Discordを使ってユーザーとのコミュニケーションや広報、そしてスタッフとの指示連絡を行っていました。弊社は設立時から今までバーチャルオフィス(住所のみを提供するサービス)なので、KanadeCoinプロジェクトではこのDiscordがオフィスであるとも言えます。

DiscordはSlackに比べてチャットルーム(アカウント)やチャンネルごとの遷移がしやすく、複数の会社から業務を請け負っている人や部署横断的に仕事をする人が多いチームには最適です。またDiscordはオンラインゲーマーのために作られたこともあり、シームレスに音声チャットに移れたり、音声のシェアができたりする強みもあるため、チャットと会話の両立でリアルタイムコミュニケーションを重視したい場合にはとても重宝します。

KanadeCoinでは運営のお知らせを掲示するチャンネル、スタッフ募集のチャンネル、複数言語の雑談ルーム、プロジェクト別のチャンネルなど多数のチャンネルを用意していたため、Slackより利用しやすかったのです(仮想通貨業界で一般的だった点も主な採用理由ですが)。

また外国人ユーザーに対しては、合わせてTelegramとWeChatもサブで用意しました。こちらはLineやMessengerのようなインターフェイスなのでテレワークには向かず、「お知らせの発信+ユーザーのコミュニケーション」のみに用いています。

 

そして新規ユーザー獲得のための情報発信はTwitterで行っていました。Twitter上でキャンペーン・イベントの告知やプロジェクトの進捗報告を行ってフォロワーを獲得し、DiscordやTelegramに誘導してコミュニケーションを取ってもらうようにしました。

KanadeCoinはBtoCのプロジェクトだったので、ユーザー(トークンホルダー)獲得においては個別の営業を一切行っていません。新規ユーザーの獲得はほぼ全てがTwitter上での発信です。これでフォロワーはピーク時に2.3万人、KanadeCoinを保有するイーサリアムウォレット数は約3万人に登りました。

このように「Twitterで集客→チャットツールに誘導しファン化していく」という仕組みを構築し、さらにチャット内でスタッフとの交流やイベント等の実施も図ったため、プロジェクトのほとんどの部分をオンラインのリモート環境で実現できました。

 

ユーザー内からスタッフを募集する

事業の運営を手伝ってくれるユーザーは、TwitterとDiscord内で告知を出し募集しました。どんな作業を手伝って欲しいか、報酬はいくらか、といったことを掲示し、基本的に手をあげる形式+評価報酬制でゆるく手伝ってもらっていました。

報酬の受け渡しはKanadeCoinで行いました。仮想通貨は世界中どこにでも送れるので、銀行を介すのと違って数秒で着金し、送金手数料も数円〜数十円で済むというメリットがあります。企業にとっては価格の上下(ボラティリティ)が激しく会計が面倒という欠点はあるものの、それを加味しても余りあるメリットです。

先述の通り、スタッフは基本的に誰とも会ったことはなく、本名も顔も知りません。なんと一番多く手伝ってくれたスタッフに至っては長らく国籍すら曖昧でした。しかし、チャットでコミュニケーションを取り、作業内容を逐一確認し、報酬をきちんと支払っていれば、特に問題はありませんでした。

 

このケースは少々珍しいかもしれませんが、BtoC企業であれば、これを応用して完全オンラインでユーザー参加型のイベントやマーケティングを展開できるかもしれません。

また、各スタッフにお願いする作業量も付与する報酬もかなり小さなものだったのですが、それでも積極的にいろんな方々が参加してくれたことから、報酬がモチベーションに繋がるということを認識しました。そのため従業員同士で少額の報酬と感謝を送り合うピアボーナスの仕組みをチャット上で活用するなどで、テレワーク環境でも社員がモチベーションを保てる環境を作れるのではないかと思います。

 

完全テレワークで運営して良かったこと

他にも細かい工夫はいろいろとあるのですが、KanadeCoinは主に上記のような仕組みでグローバルにテレワーク環境を構築し、事業を運営していました。

海外に向けたプロモーションを行うのは、仮想通貨の性質上必須だと考えていたのですが、実際にやってみて良かったのは、外国人ユーザーの反応が良く、ユーザー全体の7〜8割を占めていた、ということです。オンラインのリモート環境を活かしたことで、グローバルに事業展開してユーザー数を大きく増やせたわけですね。

どうしても海外スタッフと仕事をしていると、時差が問題になります。ユーザーやスタッフは東アジア・東南アジアが多いのですが、中には時差5時間以上の地域に住む人もいたため、この点からもチャットを中心としたコミュニケーションが功を奏しました。

スタッフ間の打ち合わせも基本的にはチャットのみでほぼ問題なく、重要な一部の意思決定のみ音声通話で会議の上で決定するという形だったので、会議に時間を煩わされることもなく効率的だったのもメリットです。

チャットなら議事録が簡単に残せるので、言った言わないの議論も無くせます。また音声での打ち合わせで議論が紛糾しても、大抵アジェンダやこれまでの思考プロセスが自然と文章化されているので、話を本筋に戻しやすくもなります。

最初は「チャットだけでコミュニケーション大丈夫かな?」と思いましたが、なかなかどうして、オフィスでのアナログな付き合いよりもうまく事が運ぶ部分も多いなあという印象です。

 

リモート運営で残った課題は?

問題になる部分は、やはりチャットベースだと完全リアルタイムなコミュニケーションではないため、どうしても連絡が数時間〜数日取れない場合があることです。皆さんも普段は「メールだけで仕事するな、電話も使え」と言われることと思いますが、それはまさしくこのようなリスクをヘッジするために必要なものです。

また、やはり音声でのリアルタイムコミュニケーションに比べると、チャットのみでのやり取りではどうしても情報量が少なくなってしまいます。そのため、口頭では伝わるような細かい意図が漏れてしまったり、感情によるニュアンスの変化や言葉の重みを捉えるのが難しかったりして、認識の齟齬が出てしまうことがあります。

このため、必要に応じて積極的に音声通話を利用すべきなのですが、電話と同じように相手が確実に出られる保証もなければ、折り返し連絡がいつ来るかも分からないという点は、やはり同じオフィスで机を並べるシチュエーションには劣ってしまいます。この点は割り切ってやっていました。

 

他には、多くのスタッフ各位にはごく簡単な対応のみを少額の報酬でお願いしていたことから、いつの間にかフェードアウトしていたということも珍しくありませんでした。また面談なども基本的に行わなかったため、人によっては我々の期待値と成果物とのギャップをどう埋めるかを考えなくてはならない場合も珍しくありませんでした。

まあ、この点はテレワーク自体に問題があるというより、我々のやり方に伴うデメリットという形なのでさほど主題には影響しませんが…。しかし皆さんがテレワークで業務を推進する際には、「依頼の際には期待する成果の範囲と品質基準を明確にする」「コミュニケーション量を十分に担保する」ということを強く意識されると良いかと思います。

 

おわりに

KanadeCoinプロジェクトは0からグローバルに事業展開をするに当たり、必然的にフルリモートでの運営形態を取らざるを得ない形でした。そのため、オフィスで行っていた既存の仕事をテレワークに移行するという形とは少々趣が異なる部分はあるでしょう。

しかし、実際にテレワークで事業を推進してきた結果、気をつけなければいけない点も、通常の働き方と比べたメリットも双方感じることができました。海外スタッフと一緒に仕事をする場合はもちろん、クライアントを交えてプロジェクトを進めるにも、部署や社内でやるにしても、テレワークで得られるメリットは大きいと思います。

今回は特に触れませんでしたが、私自身はKanadeCoinプロジェクト以外でもテレワークで様々な仕事を行ってきて、基本的に不自由を感じることはありません。音声や対面でのコミュニケーションも交えて、つど齟齬がないようにさえ気をつけていれば、後は色んな意味で自由に動けるのは非常に良いポイントです。

 

ただし、特にBtoBビジネスにおいては、社会的にテレワークが一般化してくると、従来のテレアポやメールなどでの営業が少々難しくなってしまうのも確かだと思います。そのため、オウンドメディアやSNSなどを駆使したオンラインでの問い合わせ型(インバウンド)セールスへのシフトが今後の企業の課題になるかもしれません。

この点も含め、コロナウィルスの影響による「テレワーク化待ったなし」という状況は、今までの働き方を根本から見直しアップデートを図る時期だと言えるのではないでしょうか。

チャットと無料音声通話を利用してコミュニケーション量をきちんと担保できる仕組みを作り、SaaSなどのビジネスツールを駆使し、オンライン上でのコミュニケーションで事業のほとんどを完遂させる覚悟を持てば、今までより遥かに効率的な働き方が実現できるかもしれません。

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