記録の改ざんを防げるブロックチェーン、どんな業務に活用できる?

記録の改ざんを防げるブロックチェーン、どんな業務に活用できる?

世の中には残念ながら悪い人がいます。そうした人は、書類やデータを自分の都合の良いように書き換え、誰かに不利益をおっかぶせるようなことを行います。

ニュースを観ていると、たまにそうした事例が槍玉に挙がってきますよね。マンションの耐震偽装問題しかり、食品の偽装問題しかり、平気でお客を騙してあの手この手でマンションを買わせようとする不動産会社だったり…。こうした人が存在する以上、信頼できる情報を取ることや、人を疑うことがどうしても必要になってくるため、住みづらい世の中だなあと思うところもあります。

しかし、そうした偽装問題の多くは、ブロックチェーンを活用することによって解決することが可能になります。今回は、ブロックチェーンの「耐改ざん性」という特性に的を絞って、活用事例をいくつか紹介していきたいと思います。

 

ブロックチェーンの耐改ざん性

ブロックチェーンは、記録された情報を第三者に改ざんされる可能性が非常に低くなる仕組みを採用しています。これにより、ブロックチェーンを導入することで、後から誰かに情報を書き換えられることのない形でデータを記録できる環境が安価に構築できます。

細かな仕組みはここでは省きますが、ビットコインやイーサリアム、ライトコイン、NEMといった主要なブロックチェーンにおいては、まだハッキングにより情報が改ざんされた経歴はありません(ただしモナコインなど時価総額の低いブロックチェーンは被害を受けた事例があります)。

この耐改ざん性により、方々からブロックチェーン活用への高い期待が寄せられており、例えば公的書類の発行や登記情報を電子化したい政府や、情報の改ざんが問題視されている分野の情報管理を改善したい大企業などがこぞって研究を行っています。

一度ブロックチェーン上に書き込んだ情報は、書き込んだ当人も含め誰も改ざんすることができず、またP2Pネットワークの中で半永久的に保存されることから、従来の情報管理手段に比べてもデータの保存機能に優れていると言えます。

 

ブロックチェーンを活用すべき業務の一例

さて、上述のとおりブロックチェーンの高い耐改ざん性は、政府による公的書類の管理や各業界の企業による活用が積極的に進んでいますが、ここでは具体的に活用事例をいくつか挙げてみましょう。

 

食品トレーサビリティ管理

食品の産地やブランドの偽装問題は時折メディアを騒がせます。国産と謳っていた食品が実は中国産だったとか、松阪牛として販売していた牛肉がただの和牛だったとか、そうした消費者をだまして利益を得ようとする悪い行為はどうしても問題になりますよね。

こうした食品の偽装問題を解消するために、食品の生産から流通、販売まで一連の流れを記録する「トレーサビリティ管理」にブロックチェーンを活用しようとする機運が高まっています。

そうしたブロックチェーンを活用している事例の一つとして、北米大手の水産加工会社「Bumble Bee Foods」によるマグロのトレーサビリティ管理システムの導入が挙げられます。

ブロックチェーンに書き込まれる情報の正確性さえ担保しておけば、スーパーや卸売業者などあらゆるステークホルダーは情報を改ざんすることができないため、消費者に対して正確な食品の情報を提供することが可能になります。

これによって、消費者がより安心・安全に食品を入手することができるようになるため、特に高級食材の取引において重用されることになるでしょう。

 

不動産取引・管理

私は個人投資家として不動産を数戸所有し、賃貸をしています。だからこそ実体験でも言えるのですが、日本の不動産業界は昔から不正や情報の改ざんなどが多く、物件を買う側にきちんとした知識がないと、業者に騙されてカモにされてしまうようなカオスな状況となっています。

もちろん全ての業者がそうした悪者というわけでは無いのですが、かと言って物件の修繕履歴や賃貸履歴などが業者に都合の良いように改ざんされていないとは言えませんし、また不動産登記においても、積水ハウスが数十億円をだまし取られた事件があったように、詐欺師による罠が仕掛けられていないという保証もありません。

そうしたことから、業者による改ざんを防いで正確な情報のみを物件の購入者に伝えられるよう、不動産に関する様々な情報をブロックチェーン上に記録することも検討されています。また、煩雑な不動産取引自体をブロックチェーンによって効率化し、決済の自動化(参考記事)と正当な権利の証明を図る取り組みも進んでいます。

 

有給休暇・勤怠管理

企業の中には、社員に無理な労働をさせたり、不当に休暇を認めなかったりするような、いわゆる「ブラック企業」が一定数存在しています。そうした企業では、社員に残業の記録を付けさせることを禁止したり、有給を取らせなかったり(でも申請がなされた体を作ってたり)、勤怠を経営側の都合の良いようにこっそり改ざんしたり、という悪事を働いている事例も見られます。

こうした事例は、本来労基に通報すれば改善に向けて指導してくれるのですが、いかんせん件数が多いようで、全てに取り合うことはできないようです。

そのため、ブロックチェーン上で有給休暇の残日数や勤怠の記録を付けることにより、ブラック企業による改ざんを防ぎつつ、公に有給取得状況などをガラス張りにすることが可能になります。大手企業の労働組合などは、こうした取り組みの導入を会社に求めても良いのではないでしょうか?

 

著作権保護・書類管理

画像や音楽、文章の盗作や無断利用といった著作権法違反はネット上で頻発しており、創作者は自身の作品の著作権保護や管理について、積極的に意識しなければならない状況となっています。

通常、著作物の権利を証明できるようにするためには、JASRACのような著作権保護団体と契約を結ぶか、あるいは著作物をリリースした時点で公証などを用いてタイムスタンプを押印し、その時点での権利を証明できる形にすることが一般的です。

ブロックチェーンを使えば、こうしたタイムスタンプの押印による権利証明を容易に行うことが可能です。FactomやNEMなど複数のブロックチェーンサービスにおいて、そうしたサービスを誰でも簡単に利用することが可能となっています。

この仕組みを活用することで、著作物の権利証明の他にも、書類の公証や契約締結に応用することもできます。タイムスタンプを押印し、改ざんされない情報の記録ができるブロックチェーンの特性は、こうした点でも活かすことが可能です。

 

まとめ

ブロックチェーンの高い耐改ざん性について、活用事例を交えて簡単に説明しました。

今回挙げた事例以外にも、銀行や証券といった金融取引、請求管理システムなど様々なシチュエーションでのブロックチェーン活用が検討されています。

今後、消費者保護や事業の透明性を担保したり、正当な権利を証明したりする分野に対して、ブロックチェーンが幅広く使われていくことが考えられます。より不正が起こりづらく、企業と消費者の情報の非対称性が無くなっていく世の中になっていくのではないでしょうか。

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